アクトオンTV通信トップ > 徹底解剖!アクトオンTV > Vol.09 敏腕・ネコ舌監督が語る「クルマ番組」
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編集担当 佐藤(以下、佐)監督(以下、監)
佐:はじめに、映像の世界に携わるようになった背景を教えていただけますか?
監:大学時代に映像のバイトをしていた友人に誘われ手伝ったのがきっかけで、そのままフリーで活動して現在に至ってます。かれこれ、20年くらいたつかな?
佐:クルマ番組をやることになったきっかけというのは?
監:クルマの映像は昔からやってたんだよね。出版社が出す販売用のビデオや、自動車メーカーの販促用の映像なんかをね。それが縁で、「クルマ番組」をやらせていただいてますね。
佐:クルマ番組についてお伺いしたいのですが、撮影って何日くら いかけているんですか?
監:基本は2日間で撮影を終えてるんだけど、早朝から深夜まで、ほとんど 休みなく稼動しているから、かなりタイトなスケジュールだよね。
佐:番組内容からして、ロケが大半だと思うのですが、一時期、「雨」の走 行が続いてましたよね(笑)。天気のいい日にロケし直しっていうのは、難しいのでしょうか?
監:そうしたいのはやまやまなんだけど、逆に雨の走行シーンを映す番組ってないから、それも楽しんで見てもらえればいいかな。
佐:では、撮影の一連の流れについてお伺いしたいのですが、撮影前に準備していることを教えていただけますか?
監:まず、何を撮影するかっていうことを決めてるね。インテリアとかエクステリアではどの部分を強調して見せようとかね。あと、どの角度から撮れば視聴者にクルマの特徴が伝わるのか、事前にカタログや車体を見て研究してるよ。撮影時の風景もイメージしながらね。それと、モータージャーナリストに何を話してもらうかとか考えてるかな。
佐:モータージャーナリストさんの選定基準ってあるんですか?
監:クルマのイメージに合った人を選んでるよ。車の販売対象に近い人たちに訴えかけるような人たちとでもいうかな。
佐:モータージャーナリストさんは、運転しながらクルマの特徴を伝えてますけれど、あれはひたすら1人で乗っているところを撮影しているんですか?
監:いや、実は後部座席に僕が乗ってて、こんなニュアンスで伝えることは できますか?というようなことを言ったりしてるんだ。
だから、角度的にどうしても隠れなきゃいけないときなんかはシートに横になったりするんだけど、山道だとくねくねしてて、そのうち気持ち悪くなっちゃうんだよね(笑)。
カメラマンも後ろ向きで車に乗って撮影したりするから、けっこうしんどいかなー。
佐:それは大変!それ以外に、ロケ時に苦労していることってありますか?
監:インテリアやエクステリア撮影のときは、細心の注意を払ってるよ。やっぱり外で撮影しているから埃もつきやすくって、その都度、ボディやタイヤを拭いて、室内の埃も取って、常にベストな状態で撮れるようにしているよ。
あとは、時間かな。秋以降は日の出が遅くて、日の入りが早いから、明るい時間に撮れるところは撮らなきゃいけないしね。
佐:目に見えないところで、それだけ気を遣っているんですね。ロケが終わったら編集だと思うんですけど、そこにはどれくらい時間をかけてるんですか?
監:編集はパソコンでやるんだけど、撮影2日間で60分テープをだいたい10本使うんだ。それをまず一通り見て、ハードディスクに取り込むんだけど、倍速できないからまるまる10時間かかる。終わったら、インプレッションのいいところを選んだり、スムーズにつながるよう削ったり、テロップ入れたり、映像加工したり…。そのあとはナレーションを吹き込んだり、試写会したりで、撮影後7日くらいで完パケ(業界用語で放送用の完成版のこと)してるかな?
佐:それはまたタイトなスケジュールですね!その間、ほとんど寝てないんじゃないんですか?
監:そうだね、ほとんど寝てないかもね…朝までの作業もざらにあるし。好きじゃなきゃ、やっていけない仕事だと思うよ。
佐:視聴者の声って、やっぱり気になりますか?
監:なるねー!番組見て「乗ってみたい」とか、「かっこいいなぁ」とか、見ている人の「きっかけ」になるような番組をつくりたいと思っているから、率直な意見はとても参考になるよ。
あと、自分なりに反省会も行っていて、「アルファスパイダーのオープニング、やっぱりかっこいいなー(笑)」って何度も見ちゃうときもあるけれど、やっぱりこのつなぎはもっとこうするべきだったとか、もっとこう言ってもらえればよかったとかあるよね。
佐:そうなんですね。ではここで、視聴者からの質問を2つ紹介しますので、回答お願いします。
Q: サウンドファイルのコーナーが好きです。最近、テイスト変わりましたけど、あれは狙ってですか?
監:ありがとうございます!アルファスパイダーは色気がある車だから、かっこいい女性が乗ってみたらどうかなと思って、女性を初起用してみたんだけど、思いのほか好評で(笑)
フィアット グランデ・プント1.4デュアロジックでは、スポーティーさとエレガントさを出すため、女性をまた使ってみたんだ。
でも、手を変え品を変えてみせることは面白いよね。
ちなみに、サウンドファイルを撮るときは、音声さんがもっている細長いマイクを使うんだ。あれはマイクが向いている方向の音を拾うから、周囲のノイズをあまり気にせず、靴の音や、クラッチのような小さい音もとれるんだよ。
佐:それは知りませんでした!では、もう1つの質問にまいりますね。
Q: 長所だけでなく、短所も紹介して欲しい
監:たしかにそういう声も聞くけど、「クルマ番組」は、長所とか短所というわけじゃなく、クルマの特徴を引き出すようなつくりという理解で見てもらえればいいかなと思います。
でも、こうした意見はとても参考になるので、ありがたい限りです。
佐:それでは最後に、監督の夢を聞かせてもらっていいですか?
監:そうだねー。いずれはクルマをテーマにした、映画やドラマが撮れればいいかな?

たとえ豪雨だろうと、霧だろうと、撮影続行。
後ろに映る木の斜め具合で、風の強さが伝わってきます。

クルマのイメージに合わせて、背景を選ぶことも、演出の1つ。

こういうときに横になって隠れてます(笑)

撮影時に限って、車内に虫が入り込み、撮り直しになることも…

ネコ舌監督一押しシーン!実はファーストカット(番組のオープニングの出だし)で、このサウンドファイルの一部を使用したのは初めて。

ちなみに撮影時は、色が暗めの服を着用。クルマ本体への映りこみ防止のため。
たった30分番組だと侮るなかれ、こうした苦労や思いがあってこそできあがっているということを実感しました。
これからも、誰かの「きっかけ」になるような番組、楽しみにしています!
(2006年10月)
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